dockerfile の COPY命令

DockerfileのCOPY命令は、ホストマシンのファイルやディレクトリからイメージにファイルをコピーするために使用されます。このコピーは一方向で、ホストマシン→コンテナイメージの一方向にしかコピーできません。

dockerfile の COPY 命令

COPYには2つの形式がありますが、どちらもファイルまたはディレクトリをコピーします。

COPY src target
COPY ["src", "dest"]

ADDコマンドでも同様の機能がありますが、ADDよりはこちらのCOPYを優先してください。

Nginxの設定ファイルや静的ウェブコンテンツをイメージにコピーすることで、ngixの動きをカスタムすることが可能です。以下がDockerfileでnginxの設定ファイルを変更する例です。

# ベースイメージを指定
FROM nginx:latest

# カスタムNginx設定ファイルをコピー
COPY nginx.conf /etc/nginx/nginx.conf

# カスタムウェブコンテンツをコピー
COPY html/ /usr/share/nginx/html/

FROM nginx:latest : Nginx公式のDockerイメージをベースに使用します。
COPY nginx.conf /etc/nginx/nginx.con : カスタムNginx設定ファイル nginx.conf をコンテナ内のNginx設定ディレクトリ /etc/nginx/ にコピーします。
COPY html/ /usr/share/nginx/html/ : カスタムのウェブコンテンツをコンテナ内のNginxデフォルトのウェブルートディレクトリ /usr/share/nginx/html/ にコピーします。

あまり知られてはいないことですが、DockerfileのCOPY命令では**ワイルドカードを使用することができます。

以下はホストマシン上にある名前が.txtで終わるファイル名を、すべて/app/配下にコピーしています。

COPY *.txt /app/

DockerfileのCOPY命令では不要なファイルやディレクトリがコピーされることがあります。これを防ぐために、.dockerignoreファイルを使用できます。

下記の例ではnode_modulesや.logファイルをDockerイメージに含めないように.dockerignoreに記載しています。

# 以下のファイルやディレクトリはDockerイメージに含めない
node_modules
npm-debug.log
*.log
*.json

COPY命令には、以下のオプションがあります。

--chown=<user>:<group>：コピー先のファイルの所有者とグループを指定します。このオプションを指定することで、コピーされたファイルの所有者とグループを制御することができます。例えば、以下のように書くことができます。

COPY --chown=user:group src dest

--from=<image>：別のDockerイメージからファイルをコピーすることができます。このオプションを指定することで、別のDockerイメージからファイルを取得して、現在のイメージにコピーすることができます。例えば、以下のように書くことができます。

COPY --from=ubuntu:20.04 /src /dest

--no-cache：Dockerビルドキャッシュを無効にすることができます。このオプションを指定すると、ビルド時にキャッシュが使用されず、常に新しいファイルがコピーされます。例えば、以下のように書くことができます。

COPY --no-cache src dest