アジャイルでの見積もり方法【アジャイル開発3】

この記事について

アジャイル開発においても「見積もり」の提出をされる場面はある。 そのような場合に、どのように「見積もり」を提示すれば良いのかを説明する。

参考書籍:アジャイルサムライ

この記事は次の書籍を参考にしています。

アジャイルサムライ(オーム社出版)

https://www.amazon.co.jp/アジャイルサムライ−達人開発者への道−-Jonathan-Rasmusson/dp/4274068560

人間のプロジェクトでの見積もりはがっかりするほど適当

プロジェクトで最初に出す初期見積もりは常に適当である。 ひどい当てずっぽうに過ぎない。

精度や精密さという意味では何も得るものがない事前見積もりに依存するべきではない。

プロジェクトの見積もりミスによる炎上

見積もりを間違えてしまうこと自体はそこまで問題ではない。 問題は、見積もりから本来ありもしないものを読み取ってしまうこと

つまり、見積もりを未来の正確な予測だと思い込んでしまうことにある。

  • 事実から見積もりを出していたつもりが

  • 見積もりからそれが達成できるように事実を変えようとしてしまう

これが見積もりの問題である。

不確実性コーンとは

プロジェクトに先立って行われる、概算見積もりとは当てずっぽうで、多くの場合楽観的すぎる。

ティーブ・マコネルはこの機能的な不全を「不確実性コーン」と呼んでいる。

つまり、初期段階の見積もりには大きな誤差が存在するということだ。

アジャイルではこの事実に対して次のように対処している:前もって正確に見積もることなんて無理

どうすれば可能な限り正確な見積もりが出せるのか?

人間は絶対的な分量を図ることは苦手としている。

「写真の人物の身長を答えよ」という問の答えは事実とかけ離れる場合が多い。

しかしながら、人間は相対的な分量を図ることは得意としている。

「次のアイスはどちらがどれくらい大きいか」という答えは性格になりやすい

アジャイルでは 「人間は相対的な分量を図ることは得意としている。」という実験結果を元にして見積もりを行う

アジャイルでの見積もり注意点

具体的には次の方法でアジャイル開発の見積もりを行う。

  • ストーリーをそれぞれ互いに相対的なサイズで見積もる

  • ポイントを元にして進捗を追跡する

これらが計画を立てる上でどう役立つかを見ていく。

アジャイル開発では日付で見積もってはいけない!

アジャイル手法では見積もりの単位として「ポイント」を採用する。

つまりあるタスクに対してある方法を用いて「どれくらいの負担か?」をポイントをつけるのだ。

仮に日付で見積もったとしよう。

当初の見積もりから実績が1.3倍になったとする。

その際に当初の見積もりで1人日だったものが1.3人日となってしまう。

このような小数点を用いた数値については見積もりがあたかも精密であると錯覚させてしまうことが問題である。

また、日付で単位をつけてしまうことで、マルチタスクが発生しやすくなるのも問題点である。

アジャイル開発では「ポイント」を採用する

アジャイル開発では日付を単位とせず、「ポイント」を単位とする。

さまざまなタスクに対して次のようにポイントをつけていくのだ

  • 1pt:楽勝

  • 3pt:やれないことはない

  • 5pt:ちょっと大変

見積もりの数値にポイントを採用すれば、数値はどうでもよくなる。

大事なのは相対的な大きさの違いだけだ。

アジャイルで「ポイント」を採用することのメリット

アジャイルでポイントを採用することには次のようなメリットがある。

  • 見積もりとは当てずっぽうであることを肝に銘じる

  • 見積もりとは純粋に大きさを図るものだと考えられる

  • 手軽に気軽にシンプルに

アジャイルのポイントを日付に変える

アジャイルのポイントから日付で見積もりに変更する際に、日付とは異なる単位に一度変換することをお勧めする。

その単位とは理想日である。

1理想日とは、全く割り込みがなく、8時間みっちり仕事に集中できるような一日のことだ。

(科学の分野の「理想気体」を参考にしているのだろうか)

アジャイルでの「二つの見積もり方法」

アジャイルの見積もり技法(ポイント性):三角測量編

代表的なストーリーをいくつか基準として選出して、残りのストーリーを基準になるストーリーとの相対サイズで見積もるやり方だ。

  1. 大、中、小の三つに分ける

一回のイテレーション(1~2週間)に収まりそうなサイズのストーリーから、大中小それぞれ一つを選び出せるのかが望ましい。

  1. ふるいわける

その後、そのストーリーと同じサイズのものに古い分けていく。

この調子で見積もりをしていたらいつか最見積もりするんじゃないかと心配になるかもしれないが、その通りだ。

だからこそ見積もりに対しては真摯に取り組む必要はなく、体力も時間も温存しておくのだ。

プランニングポーカー

プランニングポーカーは見積もりゲームだと考えるとわかりやすい。

  1. ストーリーの詳細をヒアリングする
  2. ストーリーが大きすぎる場合は分割する
  3. 全員で見積もって、各自プランニングポーカーのカードを裏返しに場に出す
  4. 全員同時にカードを表にする
  5. チームでそれぞれの意見を聞いて妥当な数字で合意して決める。
  6. 特に一番大きい数字と一番小さい数字の意見を聞く

以上の手順を繰り返し踏むことで、見積もりを行う。

ここには次のようなメリットが存在する。

  • 見積もり担当者と実装担当者とのギャップを埋める

  • 一人で見積もりするよりも早く正確に見積もれる

実際にカードを使って見積もるのはプログラマーが中心になると思うが、DBAが参加してもいいし、デザイナーだって参加する必要があると思う。 一人でも多く参加した方が良い結果につながりやすい。

まとめ

アジャイルの見積もりは適当!!!

さらに詳しい内容は以下の書籍から確認してみてください。

備考

title:アジャイル 見積もり方法【アジャイルサムライその3】

description:問題は、見積もりから本来ありもしないものを読み取ってしまうこと。つまり、見積もりを未来の正確な予測だと思い込んでしまうことにある。

img:https://eh-career.com/image/article_hub/40/41/140_01.jpg

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